国外で得た所得に対する税を、二重課税の回避という観点から免除する制度。

→ obrońca, radca prawny

2002年にUrząd Ochrony Państwaの改組のあとにAgencja Wywiaduと並んで設置された、防諜、テロ対策など国家の対内的安全の維持を任務とする警察組織。

→ Agencja Bezpieczeństwa Wewnętrznego

具体的問題についての国家機関の決定。

一般的 ・ 抽象的性格をもつ規範を内容とするアクト。

地方自治体の定める規範 （日本の条例） と政府行政の地方機関 （県知事など） の定める規範とを合わせて指す。

身分にかかわる一定の事実を法的に証明する文書。akt urodzenia〔出生証書〕、婚姻証書〔akt małżeństwa〕、死亡証書〔akt zgonu〕の３種がある。

大統領の発するアクト（規範や行為）を、９７年憲法はakt urzędowyと呼んでいる。これは、「法律」や「命令」のようなアクトの特定の形式を指す言葉ではな い。

→ ułaskawienie

aplikacja sędziowska〔裁判官修習〕 、 aplikacja prokurorska〔検察官修習〕 、 aplikacja adwokacka〔弁護士修習〕、aplikacja radcowska〔法律顧問修習〕 の別がある。

→ aplikacja

（行政罰としての）拘留
（日常用語で）勾留
（民事訴訟手続における）保全拘禁

→ tymczasowe aresztowanie
「保全拘禁」 は、債務者に債務の履行を強いることを目的とする拘禁で、日本法には対応する制度がないので、適訳を見いだすのがむずかしい。逮捕はzatrzymanie。

tymczasowe aresztowanie〔勾留〕 処分に付された者を収容する施設。

→ zatrzymanie〔逮捕〕

日本の判事補は任官後１０年未満の裁判官であり、単独で裁判を行なうことについて制約があるとはいえ、裁判官であることには変わりはない。asesor sędziowskiは、裁判官の前段階の見習いであり、所定の手続を経て大統領に任命される裁判官とは異なり、司法大臣によって任命される。そのため、日本の判事補と同様に特例的に単独で裁判で裁判を行なっていることが憲法法廷によって違憲とされた。「判事補」 ではな く「裁判官試補」 と訳すのは、以上のような事情を考慮している。

→ asesor sędziowski

国会に提出した法律案の提案者自身による修正。

かつてポーランド家族連盟が家族政策の目玉として推進した手当の俗称。becik 〔赤ん坊を暖かく包む毛布〕 に由来する。

→ czynne prawo wyborcze

→ prezydent

組織犯罪 ・ 越境犯罪 ・ 麻薬犯罪の取り締まりなどを行なう機関。

Centralne Biuro Antykorupcyjne (CBA)

投票日の24時間前以降の選挙運動や世論調査結果の発表の禁止を指す。

→ bierne prawo wyborcze

旧統一労働者党員など旧体制と結びついた者の公職からの排除、「共産主義」と関連していると見なされた道路や広場の名称変更などを指す。

97年憲法下では存在しない法規範の形式。

下級裁判所の裁判官を最高裁にdelegowanieする、使用者が従業員を外国における仕事にdelegowanieする。前者は出向、後者は派遣になる。

刑法典で定める犯罪とされている行為を刑法典から除き、犯罪としての扱いを止めること。

→ repatriacja

通常は、外国議会の議員を指す。ポーランドの国会議員はposeł、上院議員はsenator。

民法典23条は、健康、自由、名誉、良心の自由、姓または仮名、肖像、通信の秘密、住居の不可侵、学術的、芸術的、発明上、合理化上の創作を例示している。裁判をつうじて拡大される可能性がある。

法律用語としては、一定の事実を知らないこと。例えば、他人の物なのに自分の物と誤認して占有している場合は 「善意の占有」 となる。 → zła wiara

どちらの訳語を採用するかは、どのようなニュアンスを読み込むかの問題。

刑事訴訟における準備手続の（śledztwoと並ぶ） 一形態。

家賃決定への市場原理の導入にともなって設けられた一種の補助金。

弁護士や法律顧問の資格を有することなく、経済活動法にもとづく営業として法的援助を提供している者。制度化の動きもある。原語でもradca prawny 〔法律顧問〕  との区別がしにくい。

dożywocie

終身刑

dyscyplinarka  NEW

懲戒処分

postępowanie dyscyplinarneの日常的表現。

dyscyplinarny

懲戒の、規律の

dziecko poczęte  NEW

胎児

→ płód

dziedziczenie

相続

（大学の）学部長
（管区弁護士会の）会長

官報のひとつで、一般的拘束力をもつ法源である法的アクト （法律、批准された国際条約、政府決定など） を公布するもの。現在の正式名称は“Dziennk Ustaw Rzeczypospolitej Polskiej”
→ "Monitor Polski"

居住者を法的手段や事実上の手段によって立ち退かせること なので、正確には「立ち退かせ」と言うべきところ。

ポーランド市民のekstradycjaは憲法で禁じられていたが、europejski nakaz aresztowaniaの導入に伴って憲法が改正された。

特例的に早期に支給される年金 〔wcześniejsza emerytura〕 に代えて、一定の条件のもとに、本来の年金を受給するまでの期間支給される年金。
→ pomostówki

（ローマ=カトリック教会の）司教協議会

通常は欧州通貨 （ポーランドは未加盟） を指すが 、“Euro 2012” 〔サッカーの欧州カップ〕 のような用法もある。

→ ekstradycja

扶養料を支払義務者が支払わない場合に代わって支払う機能を持つ基金。

三層制の地方自治体の基層単位。現行制度ではgmina wiejska〔農村グミナ〕、 gmina miejsko-wiejska〔都市=農村グミナ〕、gmina miejska〔都市グミナ〕 の別があるので、これらを村、町、市と訳し、gminaを 「市町村」 と訳す余地もないわけではない。

（裁判官・議員・外交官などの身分保障のための）特権

選挙人が議員に託す活動指針。自由委任制をとる議会では、議員はこれに拘束されないのが原則。

旧公安警察の残した文書を集めた機関。歴史家の働く文書館でもあり、「スターリン犯罪」などを追及する検察官のいる独特の機関なので、Instytutを何と訳すかは難しい。「国民記憶機構」は、多種多様な機関に「機構」という名称をつける近年の傾向に追随したもの。「国民記憶院」「国家記銘院」という訳もある（「院」はizbaの訳語として用いる場合が多い。上院・下院、最高監察院など）。Narodowaをどう訳すかも問題であるが、InstytutではなくPamięćにかかっていること（国民の記憶、の意味）に留意すべきである。「国民記憶院」という訳語が広がりつつあるが、結局、名称だけで中味を推測させることは困難である 。

政府の構成員に対し、国会議長をつうじて文書で提出される。日本の 「質問趣意書」 に相当する。
→ zapytanie poselskie　

ラテン語の 「ガラスの中で」 から 「試験管の中で」 という意味になり、ポーランドの時事用語ではこのままで体外受精〔zapłodnienie in vitro〕を意味するものとして用いられている。その法的規制のあり方は、中絶問題と類似した論争の対象となっている。

各地域に設けられた単位弁護士会（現在24）。弁護士と弁護士修習生によって構成される自治組織。

dożywocieとも言う。

現行刑法典の刑種には含まれていない。

日本の制度における上告に相当。

klauzula sumienia

良心条項

中絶手術など自己の良心に反する行為の実施を拒否することを根拠づける条項。

少なくとも15名の国会議員によって構成される議会会派。元老院の議員クラブ 〔klub senacki〕は７名。
→ koło poselskie

裁判官総会によって選出され、所長が主宰する幹部会的機関。管区裁判所と控訴裁判所に置かれる。日本には該当する制度がなく、「運営会議」は意訳。

少なくとも３名の国会議員によって構成される議会会派。 元老院の議員サークル〔koło senackie〕も同じ。
→ klub poselski

国有企業改革の文脈では、国有企業法の対象である国有企業を商法典上の会社に改組することを指す。

免許

行政機関が公共性の高い一定の経済活動の実施を期限つきで許すこと。付与するか否かについて、行政機関に裁量権がある。
→ zezwolenie

（ローマ=カトリック教会との）政教条約

現行のKonkordatは1993年調印。

同棲関係にある女性はkonkubina、男性はkonkubinまたはkonkubent。

首相候補者を示した政府不信任。９７年憲法では、建設的不信任のみが認められている。

国会議長・副議長および議員クラブの会長または副会長によって構成され、日本の議院運営委員会に類似した機能をはたす。

政府行政を公平で非政治的な立場から担うべき公務員集団。高級公務員を政治的任命の対象から除外することを意図して設けられた概念＝制度。

教会

組織としての教会と教会堂の双方を指す。Kościółと表記される場合は、通常ローマ=カトリック教会を指す。ギリシャ正教会の教会はcerkiew。

akt stanu cywilnego〔身分証書〕 を登録する帳簿。

→ naród

政党など組織名にludowyがつく場合、人民と訳すか農民と訳すかは内容に即して判断するほかはない。Polska Rzeczpospolita Ludowa（ポ-ランド人民共和国）、Polskie Stronnictwo Ludowe（ポーランド農民党）

旧公安警察の秘密協力者の開示や公職追放。「浄化」 という訳語は、ギリシャ ･ ローマ時代のお祓い的儀式を意味する用法を生かしたもの。

現在は存在しない制度。

職業裁判官と同等の権利をもって民事 ・ 刑事の第一審裁判に参加する市民。
→ przysięgły

18歳未満
→ nieletni

97年憲法は婚姻を「女性と男性との結合」と規定している。

政教条約によって認められた婚姻締結方式で、教会法上の婚姻が一定の条件・手続のもとで国家法上の婚姻として扱われる。

（選挙民から付託された議員などの）権限・地位
略式罰金

「略式罰金」 は、略式手続で違法行為〔wykroczenie〕 に対して科される行政罰としての罰金。日本法の 「反則金」 に近い。

県長は、自治体としての県の執行機関＝理事会の長。
→ wojewoda

弁護士および法律顧問に対する敬称

「後見人」が語源。

korpus służby cywilnej〔文官団〕に属する者など、法定された一定の場合の労働関係発生の根拠を指す用語。

官報のひとつで、一般的拘束力をもつ法源ではない （したがって市民の権利 ・ 義務を発生させる根拠とはならない） 法的アクトを公布するもの。
→ “Dziennki Ustaw”

最高裁判所と並立する最高裁判機関。

非公開で行なわれる事件についての裁判官の審議。
→ rozprawa

ポーランドの文脈でnarodowcyという場合、naródという言葉に実質的にはエスニックな意味が込められていることが多く、この点を重視すれば「民族派」という訳語もありうる。メディアなどでは、narodowcyを民族主義的（nacjonalistyczny）として特徴づけることが多い。
→ naród

大衆 （大量） 私有化のための装置として１９９３年の法律にもとづいて設けられた投資基金。

naród(nation)は多義的・論争的な概念であり、そのことを踏まえつつ文脈に応じて訳すほかはない。９７年憲法は、最高権力のNaród 〔国民〕 への帰属 （国民主権） を定めつつ、mniejszości narodowe 〔民族的少数者〕 に属する市民の権利を保障している。
「人民」 はlud。

naródの多義性に応じて多義的だが、「民族的出自」 を表わす場合の方が多い。

17歳未満
→ małoletni

「自主管理労組」 と訳される場合がしばしばあるが、この場合のsamorządnyとは、党や政府からの介入を排除した自治的な労組という意味であって、企業（従業員）自主管理とは関係がないことに注意する必要がある。

adwokatは職業。obrońcaはその刑事訴訟法上の地位。

izba adwokacka〔弁護士会〕の指導機関。

→ kurator

選挙制度を定めた法律の名称。

法律用語としては、定義が存在しない。

2003年の公益活動法にもとづいて認定される非政府組織等。

個々の判決を指す。

判決の総体を抽象的に指す場合と、判決の中のテーゼを指す場合とがある。

直訳的には「後見国家」。
państwo dobrobytuとも言う。

銀行業務に対する認可を受けることなく銀行と類似の業務を行う金融機関。日本では、銀行と消費者金融の中間の業態に当たる「准銀行」を制度化する構想があるが、これに類似している。

自治体が民間セクターに各種の公共施設の建設と運営を委ねる仕組み。

資本投下から得た利益に課税される所得税。「利子=配当税」というのは、意訳である。ベルカ元財務相時代に導入されたため、「ベルカ税」と俗称される。

英語のPersonal Income Taxから、PITとも呼ばれる。

英語のCorporate Income Taxから、CITとも呼ばれる。

英語のValue Added Taxから、日常的にはVATと呼ぶのが一般的。

生活困窮者に現物または金銭による援助を行なう公的扶助制度。

外来語のsubsydiarnośćと互換的に用いられる。

女性議員はposłanka。

（数日を単位に開催される国会の）会議

三層制の地方自治体の中間単位。

労働事務所が雇用対策として行なうもので、使用者は差し向けられた失業者と労働契約を結び、それに伴うコストの償還を受ける。

法部門として民法を指す。民法典はKodeks cywilny。他の法分野もおおむね同様。

法典はKodeks karny。

９７年憲法では、大統領に与えられている。

法典はKodeks pracy。

法典はKodeks rodzinny i opiekuńczy。

選挙権と被選挙権とを合わせた概念

（閣僚会議の）議長、（憲法法廷などの）長官、（政党・国立銀行などの）総裁

最高裁長官はPierwszy Prezesと呼ばれ、PrezesはIzba Cywilna（民事院）などの長を指す。

大統領、（人口５万人を超える市の）市長

大統領であることを明確にするときは、Prezydent Rzeczypospolitej (Polskiej) という。
→ burmistrz

議長および副議長（複数）によって構成される。

国庫の法的・財産的利益を擁護することを任務とする官庁。Prokuratoria Generalnaは省庁の内部部局ではなく、閣僚会議議長がその長を任命する自立的な機関。日本にはぴったり対応するものがなく、意訳するほかはない。 「国有財産代表部」は試訳。

日本の法令用語では、「検察官」と「検事」とははっきりと区別されており、前者は、検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事というランクの違う職名の総称であるが、prokuratorは総称としての「検察官」（広義）と各級検察官の長（日本では幹事長、検事正など）の両方を指す。後者を何と訳すかは悩ましいが、日本の用語との違いに注意したうえで、「検事」（狭義）と訳すのが一案である。

現行制度では、司法大臣が兼ねる。

Prokuratura Krajowa〔全国検察庁〕の長。職業検察官のトップ。

「民営化」という訳語もありうるが、所有権の私人への移転を意味するときは「私有化」が適切。

przetargの一形態がaukcja〔競売〕。

→ ławnik　

下級裁判所が最高裁判所に、通常裁判所が憲法法廷に、事件において適用されるべき法令の解釈を示すことを求める手続。国内裁判所が欧州司法裁判所にＥＵ法の解釈を求める場合にも、この言葉が用いられることがある。

日常用語はaborcja。

大統領の諮問機関。

「欧州審議会」「欧州会議」など、訳語のばらつきが大きい。

大統領が招集し主宰する閣僚会議。閣僚会議としての権限はもたない。

国有企業法（1982年）にもとづく従業員代表機関。

従業員への情報提供と協議についての法律（2006年）にもとづく従業員代表機関。

原則として刑事事件・家族事件を担当しない点を除き、弁護士とほぼ同等の法律専門職。
→ doradca prawny

登記手続など （狭義の） 司法に属さない裁判上の事務を遂行する裁判所職員。モデルとなったドイツのRechtspflegerの訳語に合わせて 「司法補助官」 とする余地もある。
→ wymiar sprawiedliwości

referendum ogólnokrajowe 〔国民投票〕 とreferendum lokalne 〔住民投票〕 との別がある。

国会などの国家機関の組織と運営の詳細な原則を定める規範。

国境変動・戦争などの結果として国外にある者を権力が組織的に国内に移住させること。
→ deportacja

法的効力の生じた判決の見直し手続。現行制度ではkasacjaに代わっている。

国有化された私有財産を再び私有化すること。体制転換初期には、国有企業を私有化することをreprywatyzacjaと呼ぶ用法も見られた。

直訳は「不完全家族」。今日では、„rodzina monoparentna”, „rodzina monorodzicielska”という言い方がされる。NEW

生物学的親の知れない、または親権が剥奪された未成年の子に対する養護の形態。日本の社会的養護に当たる。施設擁護を含むので、里親よりも広い。

日本のように刑事の「公判」、民事の「口頭弁論」というように言葉が使い分けられていない。いずれも「公判」と訳して「民事も含む」と考えるか、民事と刑事とで訳しわける、ということになろう。

人権オンブズマン。

グミナ〔gmina〕および郡〔powiat〕のレベルの地方自治を指す。

県〔wojewodztwo〕のレベルの地方自治を指す。

samorąd lokalnyとsamorząd regionalnyとを合わせた総称。

三層制の通常裁判所体系の下から三層目の裁判所。

歴史的概念。現在では、軽微な民事・刑事の事件を扱う地区裁判所の部を指す。

浄化裁判所 は機能に着目した呼称で、組織的には「ワルシャワ控訴裁判所浄化問題部」がこれに当る。

→ prezes

三層制の通常裁判所体系の下から二層目の裁判所。

三層制の通常裁判所体系の基層裁判所。

民事事件、刑事事件と並ぶ 「軍事」 事件があるわけではない。最高裁を最上級審とする裁判所体系の一部をなす。

現行ポーランド法では、控訴裁・管区裁・地区裁・軍裁を指し、最高裁は含まない。

「下院」を端的に表わす日常用語はizba niższa。日本の衆議院は、Izba Reprezentantówと呼ばれる。

gminaのみが自治体として認められていた1990〜1997年にgminaを代表する機関。

国会決議にもとづいて問題ごとに設置される。

元老院、上院
（大学の）評議会

「上院」を端的に表わす日常用語はizba wyższa。izba wyższaと区別するために、「元老院」という歴史的訳語を採用する余地もある。日本の参議院はIzba Radcówと呼ばれる。

婚姻の解消以外は離婚と同一の効果を生ずる家族法上の制度。

日本の法律用語においては、「裁判官」は最高裁長官、最高裁判事、高裁長官、判事、判事補、簡裁判事の総称である。したがって、最高裁長官や高裁長官は「裁判官」ではあるが「判事」ではなく、地裁所長は「判事」である。ポーランド語では、総称としての「裁判官」と職名としての「判事」との区別がなく、いずれもsędziaである。

破産事件を担当する裁判官。日本の破産法では（破産裁判官ではなく）「破産裁判所」という定め方をしている。

憲法法廷の憲法判断を求める市民の申立て。

→ korpus służby cywilnej

国内安全庁〔ABW〕、中央腐敗対策局〔CBA〕など、国内において非公然の捜査・情報蒐集活動を行なう国家機関の総称。「特務機関」は、日本では歴史上の言葉になっているが、ポーランドでは重要な現代用語である。

宗教的信条または信奉する道徳的原則を理由に、兵役に替えて義務づけられる役務。

現在では、地方自治の基層単位であるグミナの補助単位としての村（sołectwo）の長。

社名のあとにSAと 付けられる。

人的会社〔spółka osobowa〕の一形態。ただし、日本の合名会社とは異なり、法人格を持たない。

人的会社の一形態。

社名のあとにSp. z o.o.と付けられる。

効率に対する対抗的価値を含意させるときは「社会的公正」が一般的。

stan wojenny、stan wyjątkowy、stan klęski żywiołowejの３つのstan〔事態または状態〕の総称。

裁判官・検察官・教授などが現役を退きながら、それぞれの身分は失わない状態。「退役軍人」という場合の「退役」に相当する。雇用関係の切れる一般的な退職とは性格が異なる。「退任」という訳語は、退職と区別するという意図をもつ。

憲法上は３つのstan〔事態〕のひとつであり、「戒厳事態」と訳すのが整合的。
「戒厳令」は戒厳状態を導入する法令という意味になるが、stan wojennyを単独でとりあげる場合は、「戒厳令」という呼び方が一般化している。
まぎらわしいstan wojny〔戦争事態〕が領土に対する武力攻撃が行なわれたときなどに対外関係の文脈で宣言されるのに対して、stan wojennyは対外的脅威が発生したときに国内における緊急事態として導入されるものである。
1981年12月のstan wojennyに対して「戦争状態」という訳語が充てられたことがある。自国民に対する戦争という意味を込めようとしたものと思われるが、stan wojnyとの区別という観点からは問題が残る。

→ stan wojenny

憲法体制、市民の安全または公共の秩序に対する脅威があるときに導入される。
→ stan wojenny

３層からなる地方自治体の中間層であるpowiat〔郡〕 の首長。

法律用語としては「社団」、団体名としては「協会」など。

pomocniczośćと互換的に用いられる。

社団のような非営利組織が運営する学校を、普通このように呼ぶ。私立学校（szkoła prywatna）という言葉もある。

公私の区別にもとづく公立であり、日本の国立・公立を合わせたもの。

刑事訴訟における準備手続の（dochodzenieと並ぶ）一形態。被疑者の地位、集められた証拠の証拠能力など日本との相違を明確にするために ｢予審」と訳す余地もある。ただし、主宰者は検察官。

一定の犯罪の解明に資する証言を行なう見返りに刑の減免を約束された証人。

国内法的には、sądy〔裁判所〕 とtrybunały〔法廷〕とが使い分けられているので、訳し分けざるをえないが、国外のtrybunałを「裁判所」と訳すことにはとくに問題はない。
→ Europejski Trybunał Sprawiedliwości

→ trybunał

→ trybunał

日本における用法とは異なり、公的（国家・自治体）セクター、営利セクターと区別された民間・非営利セクターを指す。

刑事訴訟手続における身柄保全処分のひとつ。

ポーランド人民共和国の公安機関を指す蔑称。
→ Urząd Bezpieczeństwa

ubezpieczenie społeczne

社会保険

→ zabezpieczenie społeczne

ubór rytualny

儀礼屠殺

ユダヤ教やイスラームの戒律に従った方法による屠殺。

uchodźca

難民

uchwała　

決議

合議体の意思表示の一形式。国会決議、最高裁決議など。

相互に関連した諸要素からなる構造を指し、文脈によって、多様な意味を帯びる。例えば、ワルシャワ条約はUkład Warszawski。
近年の特徴的な用法は、政党 “Prawo i Sprawiedliwość”〔PiS、法と公正〕の現状認識を示すもので、病理的な性格をもつ非公式な人的結合を指す。

→ amnestia

若者のあいだに広がっている不安的雇用を指す俗語。

Urząd Bezpieczeństwaは固有名詞であるともに、“UB”という略称の形で、歴史的に名称を変えてきた国家安全機関の総称としても用いられる。

1990年に旧公安警察に代わって設置された一種の政治警察。2002年に改組により廃止された。 　
→ Agencja Bezpieczeństwa Wewnętrznego

雇用対策など労働行政を行なう自治体の機関。県・郡に置かれている。

1993年制定の「家族計画、胎児の保護および妊娠中絶が許容される条件についての法律」の通称。 全面禁止しているわけではない。

1997年制定の 「公的職務を遂行する者の1944〜1990年における国家安全機関における活動・勤務または協力の開示についての法律」 の通称。
2006年制定の 「1944〜1990年の国家安全機関の文書についての情報および文書の内容の開示についての法律」（情報開示法）も浄化法と呼ばれることがある。

wejście w życie

賛成が反対と保留の和より多いことを可決要件とする票決方法。

選挙にさいして最大の票を得た者を当選とする方法。過半数の票を得ることは必ずしも必要ではない。

賛成が反対より多いことを可決要件とする票決方法。

刑事では、法的責任〔odpowiedzałalność〕を問うための要件のひとつが故意・過失というwinaである。民事では、winaがなくてもodpowiedzałalnośćが発生することがありうる （無過失責任）。

現行憲法では、国家と自治体の権力を指す。

自治体としてのwojewództwo〔県〕の首長ではなく、県における政府の代表。
→ marszałek

三層制の地方自治体の最広域単位。

ひとつ建物の複数の住居所有者が不動産管理を目的に形成する集団。集合住宅の管理組合に相当する。

犯罪とは区別された、行政罰を科される行為。ロシア法のадминистративное правонарушение 〔行政的違法行為〕 に相当する。

自然人または法人を少なくとも一方の当事者とする法律上の争訟を解決する国家作用。日本における狭義の司法概念に相当する。

裁判所 ・ 法廷の判決（多数意見）に対する少数意見。votum separatumとラテン語で言う場合もある。

→ ubezpieczenie społeczne

地方自治体の事務のカテゴリー。対語はzadanie zlecone。

地方自治体の事務のカテゴリー。対語はzadanie własne。

制限時間１分、回答５分という制限のもとで行なわれる。日本の 「質疑」 に相当する。
→ interperacja

訴訟当事者としてみずから単独で有効に訴訟を追行するのに必要な能力。

民事裁判手続の当事者となる能力。自然人・法人のほか、一定の事件では社会団体、使用者、検察官、市民の権利弁務官、住居共同体なども裁判能力をもつ。

行政機関が、法規の定める条件を充たす場合に一定の経済活動の実施を許すこと。
→ koncesja

上下両院合同会議。

→ Rada Europy

日本では2017年の刑法改正により、被害者が女性である「強姦」罪が性別を問わない「強制性交」罪に改正されたが、ポーランドの刑法典では、もともと性別を問わない規定となっている。

法律用語としては、一定の事実を知っていること。　
→ dobora wiara

同一の性または異なる性の２名の者の結合関係を指し、所定の手続で登録することにより婚姻関係に準ずる効果を生じさせるための法制度化が主張されている。